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七夕

笹の葉に
何も書くこと見つからぬなら
どれほど幸せだろう

ただここにいるだけで
あなたや君やあの子とここにいるだけで
充分幸せだと
そんなふうに思えたなら
満ち足りた笑顔で言えたなら

いま 幸せ? 不幸せ?
通りすがりの人の愚問に
私はただ冷たく微笑んで
日常へと身を翻した

星は見ない
誰も尋ねて来なくていい

ただいまと
帰っていく家があればいい
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名作の残像

あの壁に
美しい一枚の絵が掛かっている

観るものを惹きつけて止まないような
あどけない 瞳のきらきらと輝いた少女のいる絵が

その絵のある家庭の者たちは
やがて荒れていった

絵のモデルとなった少女は 父に言いなりの母親に唾を吐き
時に暴力を振るった
父とは口を利かなくなった
芸術家崩れで 家にたいした金も運んで来ない
自分の幼き日の絵を描いた父とは

少女は女性になり
一人 海外へと旅立っていった

家には 心の居場所をなくした人達と
あとげない 瞳をきらきらと輝やかせている少女の絵だけが残った
がらんどうの家の中
母親は 絵を見つめて 涙をこらえるように言った
「この絵だけが、この絵の中に生きているこの娘だけが
私の宝物なの」
父親は 言った
「この絵は、誰かに売るよ」
夫を振り向いた妻の瞳が、何故、と問い掛けた。
「この娘は、もういないからだ。
日本にも、海外にも、未来にも、どこにも」
翌日には、その絵は売りに出された。
それから、母は毎日のように絵の掛かっていた踊り場にいき、ただ濃い茶色の壁を見つめては
売られていった絵の中にいる少女の 幸せを夢に見た。
あどけない瞳をきらきらさせた あの娘がいま、健やかで、優しく強くあることを。

テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

永遠の探しもの

この世から旅だった あの人がいるという あの星空には
どんなに富を積んでも
名声を得ても
決して 手が届くことはない

全てのものは移りゆき
変わらぬものはないという
それでも
人は何かに永遠を求める

どれだけ焦がれても
泣いても
手を伸ばし続けても
届かない星を見上げて

人はきっと その悲しみの中に
永遠を見つけるだろう

明日の朝食

明日が来ることが怖い日でも
明日がくれば
お腹が空く

朝ご飯を食べよう
温かいご飯と
フライパンで熱した半熟卵のベーコンエッグ

熱したあと 蓋をしてしばらく蒸らしておけば
黄身が薄い膜を張った 綺麗な目玉焼きができあがる
箸でつつけばとろりと
ヒヨコと生まれるはずだった
豊かな生命の詰まったものが溢れ出す
遠い国で
まだ歳端もいかないうちから働き
美味しい食べ物も食べられず
裸足で町を歩く子供がいる
彼らを不幸だとは 何故か思えないけれど
青空をふと見上げたときに
胸踊るような希望や夢を抱けるだろうか

あるドキュメンタリーで
厳しい生活をしている途上国の男の子が
「将来の夢は?」とリポーターに聞かれ
「バスの運転手」と答えた
それまで笑うことのなかった彼は そのとき初めて
はにかみがちに笑顔を見せて
リポーターは「笑顔が見れて良かった」と
安堵した、優しい声で話しかけていた

いつか 少し恵まれて
贅沢でなくても 温かい美味しいものを
お腹一杯食べられるように

ささやかでも 自由に 自分のやりたいことを希望を胸にやっていけるように

貧しい人も 豊かな人も
忙しい人も いまは暇な人も
明日は 何か一つでいい
自分の手で
何かを生み出せる日でありますように

テーマ : 詩&想い
ジャンル : 心と身体

影法師

きみの心に触れたくて
でも 僕の手が透明になって
きみの心臓に触れるなんて できっこないことだから

僕はいつも
君の影法師を踏む

もう太陽が水平線に落ちかけている
黄昏れ時の街中で
二人の影は伸びて
少し重なって見えるだろう

君が ふと振り向いて
ばいばい と笑って手を振って
道の角を曲がって 去っていった

僕の手は透明にならない
だから君の心臓には届かない
それに透明な手ではきっと
きみの鼓動を 感じることすら出来ない

だから 僕はいつも
君の影法師を踏む
ふっと僕を振り返って
何の気なく手を振る 目の前のきみに
切なさと
胸の高鳴りを感じて
きっとその鼓動に触れるよりも
リアルな温もりを感じていた

テーマ : 詩&想い
ジャンル : 心と身体

プロフィール

水無月ノノ

Author:水無月ノノ
神奈川県川崎市に在住の、24歳です。
メンタル問題抱えていますが、どうにか生活しています。

好きな事は読書、映画を見ること、カフェでお茶すること(スタバ好き)、料理など(簡単なものしか作れないけど)。
水彩色鉛筆で絵なども描きはじめましたが、なかなか上達しません(泣)
ちなみに、昭和24年組の萩尾望都先生&竹宮恵子先生を尊敬しています。

よろしくお願いします(^-^)

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